こんにちは、井ノ口です。
僕のロンドン生活の記憶と切っても切り離せないアーティストがいます。
その名はBanksy(バンクシー)。
今でこそyahooニュースに載るほど、日本でも有名になりましたが、僕が留学していた当時はまだ今ほど有名ではありませんでした。
僕がロンドンで初めてBanksyのグラフィティに出会ったのは2002年です。ブラッドピットなどのセレブが彼の作品を買い集めるさらに前です。
グラフィティとは落書きのことで、ロンドンの通りの壁によく描かれています。
ある日ロンドンのお気に入りのエリアを歩いていた時。 唐突に見たことのないグラフィティに出会ってしまいました。
ロンドンにはそこら中にグラフィティがあるのでグラフィティを見たところで「お!」っとなることはそんなにないです。
でもBanksyは違いました。
初めて
生まれて初めて
“その場から一歩も動けない”
という体験をしました。
「なんなんだ、このグラフィティ???」
うまく言えませんが、異様な、圧倒的なものを感じました。
衝撃と混乱で体が動かない。
そんな経験をしたのはBankyが初めてです。
僕が出会ってしまったのは、爆弾を愛おしそうに
抱える少女(Bom hugger)のグラフィティ。
その時撮った写真がこれです。
僕が撮ったこの写真はちょいちょい
ネットに出回っています(笑)
これはBrick laneというイーストロンドンにある通り(および周辺のエリア)で撮ったもので、僕のロンドンの記憶はこのエリアと言っても過言ではありません。
毎週日曜にはBrick laneに行き、BEIGEL BAKEのチーズケーキを食べ、マーケットに行き、cafe1001でゆっくりするという生活をしていましたし、何より、毎日仕事場まで行くのにBrick laneを自転車で横切っていましたからね。
ロンドンはとても懐の深い街で、人の数だけ
“その人なりのロンドンの風景”があるわけですが、
僕にとってのロンドンの風景はBrick laneです。
ここにこのBanksyのグラフィティがありました。
リアルタイムで、Bankyのグラフィティが見れたこと。
あっという間に消されてしまうこと。
消すべきだ!いや街のために残すべきだ!
という論争を見れたこと。
この経験ができたのはラッキーでしたね。
2001年に同時多発テロがあり、その後イラク戦争があり、 ロンドンでは20万人規模の反戦デモがありました。そんな時代に生まれた作品というのもあり、 この作品により引き込まれてしまったのかもしれません。
僕はこのデモに参加してみたのですが、その際、参加者の一人がBanksyのグラフィティが描かれたプラカードを掲げていました。
もしかしてあれはBanksy本人だったのでしょうか?
今となっては知る由はありません。
僕がロンドンにいた頃は、Banksyの作品がロンドンの至る所で見られました。今ではBanksyのグラフィティが書かれた壁の所有者が、アクリル版を張って消されないようにしていますが、当時はまだ剥き出しでした。
だからよく消されていました(笑)
今では数億円で売れるのに。
Banksyは僕のリアルロンドンの記憶の一部です。他にも言いたいことがいろいろありますが、 とめどなく長い記事になりそうなので、 また違う機会にしたいと思います。
僕が見たグラフィティはもうありませんが、ロンドンにはまだBanksyのグラフィティが残っています。ロンドンにいったら是非見に行ってみてくださいね。
Banksyのアートもロンドンの街の一部なので。
井ノ口
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