僕がロンドンをオススメする理由のひとつに、
”何が起こるかわからない街だから”
というのがあります。
ロンドンでは想定外のことが沢山起こります。
例えば僕の場合だと、
「自分が作った音楽でライブしたい!」
という理由でロンドンに行ったのに、
なぜか美容室で働くことになり、
オルタナティブヘアーショーという
ヨーロッパ最大級のヘアーショウに
スタッフとして出ることになったりしました。
美容経験なんて全くないのに。
未経験なりに自分の今できることを考え、
シャンプーのやりかた(特にシャンプー後のマッサージ)
を研究し、どうやったらお客さんに喜んでもらえるかを
試行錯誤した結果、
「あのジャパニーズのSHIATSUマッサージが受けたい」
という指名を受けるようになりました。
そんなメニューないんだけど(笑)。
そして、この美容室での経験が、
いまのこの仕事に繋がっています。
ローコストロンドン留学に
美容師さんのお客さんが多いのは、
僕がロンドンの美容室で働いていたからです。
ただ音楽がやりたくてロンドンに行ったのに、
まさか自分が留学エージェント
になるとは思ってなかったですよ。
全く想定外です。
■HIRO君のケース
HIRO君はロンドン留学当時、僕と一緒の
フラット(アパート)に住んでいました。
僕のフラットは4部屋あって、キッチンやバス・トイレ
などをシェアしていましたが、彼は僕の隣の部屋に住んでいました。
HIRO君は元々日本で美容師をやっていたのですが、
何を思ったか、突然のロンドンでデザイナー宣言をし、
服作りを始めました。
夜な夜なミシンを踏み、服作りに励み、
気づけば「ロンドンファッションウィーク」
というロンドンのファッションショーに出演し、
HIROというブランドを立ち上げ、帰国後は日本全国にファンを持つ、
アンダーグランドシーンでは割と有名なデザイナーになってしまいました。
僕のお客さんにもHIROの服が
好きな人がいて、びっくりしました。
そのHIRO君こと末安弘明氏。
今ではKIDILLというブランドの
デザイナーをしていて
パリコレ(パリファッションウィーク)
にも出ています。
HIRO君、凄いですね。
美容学校にも通ったことのない僕が、
ロンドンでいきなり美容室で働いた
という話をすると、とても驚かれます。
特に美容師のお客さんに。
でもHIRO君だって、
元々デザイナーでも何でもないですからね。
ただの美容師。
服飾の専門学校にも行ったことないし、
服作りを学んだこともない。ただの服好きですよ。
それがロンドンで服作りを始めて、
今ではパリコレに出るブランドのデザイナーです。
(さらっと書きましたけどパリコレって凄くないですか?)
想定外のことって結構起きるんです。
こういう人、結構いるんですよ、ロンドンには。
だから僕はあなたにもロンドンの街で暮らし、
こういう人たちと出会って欲しいのです。
特に何かを創っていたり表現したりしている人には。
もしくは、何か今とは違うことをしたいと思っていたり、
自分の枠を広げたいと思っている人には。
今はまだ有名ではないけど、
将来有名になる人も沢山います。
こういう人の存在は自分の
小さい枠を壊してくれます。
常識をぶっ壊してくれます。
何やったっていいですよ、本当は。
美容師じゃない人が美容師を始めてもいいし、
ただの服好きがデザイナーになったっていいんです。
自分の人生はこんなもんなんて
自分で勝手に決めないでください。
そんなこと誰にもわからないんだから。
ロンドンの街と、そこに住む人たちは
僕たちにそれを教えてくれます。
井ノ口
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